⬇︎Monthly vol. 3 ⬇︎

2016・ 8

当道場2大師範の公演が終わった!

先攻の「短距離男道ミサイル(以下ミサイル)」7月28日を撮影(&観劇)した。

予兆は前作「R.U.R.外伝〜隣の晩プルトニウム〜」にあった。名作「F/O〜トーホクをヌぐ〜」から一転、分かりやすいストーリーという「筋(すじ)」のある「ストレートな おバカ系」作品、それが『R.U.R.外伝』であった。その作品を見たときの正直な感想は「これ以上マトモにならないで欲しい」であった。であったし、その旨は澤野氏にも伝えていた.......

 

今回の「R.U.R.〜ただ命だけが(略)〜」

「大作」である。見応えは充分ある。観て損はないと思う。

舞台セット・美術・映像・照明・音楽(音効)どれも完成度が高いし、

ミサイルメンバーの役者陣もそれぞれの味を存分に出していて魅力的であった。

特に小濱氏・本田氏・加藤氏の演技はそれぞれに個性的で役者としての力量を

充分に感じさせる見応えのあるイイ芝居をしていたと思う。

個人的にはこの3名を観るだけでも観るに値すると思う。

 

で、冒頭に書いた「予兆」は「何」の予兆かというと、

「ミサイルの方向性の変化」の予兆である。

一言で言うと「マトモ(マジメ)な演劇」への方向転換をしたのだ。

やっている本人たちが意識的か無意識的かは別にして、

目の前に現出した「舞台」が「マトモ(マジメ)」なものとなったのは確かなのだ。

そう、

舞台セット・美術・映像・照明・音楽はもとより、

内容そのものが「マトモ(マジメ)」なテーマに貫かれていて、

「セリフ」も「ストーリー」も「マトモ(マジメ)」から逸脱しきることなく、

舞台が進んでいく。

 

まず驚くのが前半のほぼ会話劇ともいうべき「説明ゼリフ」と「衣装に包まれた役者陣」だ。

☝︎この絵面(えづら)が今回の「R.U.R.〜略〜」を象徴している。

そして下☟の絵面は2013年の「裸のリア王」である。

メインキャスト陣の裸と着衣の比率が逆転してるのがよくわかると思う。

今回の「R.U.R.〜略〜」は、前半と後半との2部構成になっており、前半の約1時間は茅根利安(客演)氏の独壇場ともいうべき説明長ゼリフが続きなおかつメインキャスト陣の紹介〜カズコへの求婚へと「マトモ(マジメ)」な演出・演技で占められる。

もちろん腐女子たちお待ちかねの「裸」は あるのだが、

ほぼアンサンブルキャストで占められており、メインキャストのマトモな着衣との対照と

物語設定上の意味合いも相まって、「裸」が「奴隷」の意味合いを帯びてしまい「笑い」に振り切れない(切らせない)効果を生んでいる。

「笑い」に振り切らせてくれない中での「説明ゼリフ」、そしてそのセリフにも一切「笑い」要素を見出せないまま前半が終わっていく...ここで従来からのミサイルファンは「あれ?いつもと違うぞ?」

と違和感に似た軽いショックを受ける。

そしてここで気づく人は気づくのである。「ミサイル」はごく普通の演劇をしているのだ。

初めてミサイルを見る人はごく普通の演劇を見ているのだから「違和感」は感じない、どころか、完成度の高い舞台セットや美術・照明・音楽に映像・ダンスetc...に「面白い」と感じるだろう。

そして後半に入ると、それら舞台を構成する諸要素がロボットの反乱という動的な展開と相まって、

非常に見応えのある舞台となり観る者を飽きさせず収束していく。

震災直後・何もない中で仙台の若手演劇人が集まって始まった「短距離男道ミサイル」。

結成5年を経て数々の名声と評価と多くのファンを身に纏った「短距離男道ミサイル」。

 その原点から新たな方向性へと舵を切りつつある「短距離男道ミサイル」はどう進んでいくのか? 今後も目が離せないのである。




後攻の「レディーバード」『露と消えても』8月5日に撮影(&観劇)した!

レディーバードの新たな代表作が誕生した。

レディーバード史上最多キャスト(含アンサンブル)で演じられた「露と消えても」。

お得意芸とも言える「殺陣シーン」を満喫できる見応え充分な舞台となった。

筆者がレディーバードの舞台を最初に観たのは「Another」であり「Faith」の再演であった。どちらにも殺陣シーンがありいわゆる「カッコイイ」舞台であった。その後「もみじ村の風」「爆裂山先生の水墨画」といったハートウォーミングな内容の舞台が続いた。特に「爆裂山先生の水墨画」は1年間「動画芝居」と称してネット上だけでショートムービー配信という「無謀?」「冒険?」ともいえる試みのあとの本公演であった。作品自体の出来も評判も決して悪くないと思うのだが、集客の点で予想を下回ったことは否めなかった。

爆裂山先生の水墨画
爆裂山先生の水墨画

そして今回の「露と消えても」である。「Another」や「Faith」で彼らのファンになったお客さんには待ちに待った「活劇作品」だったと思う。さらにレディーバードはある意味大胆なキャスティングを行なった。

舞台上の「演技」も「殺陣」も未経験のシンガー「紗也香」をほぼ主役のメインキャストに据えた。そして客演陣には「爆裂山先生〜」の舞台で強烈な印象を残した「野々下孝」氏と「菊田由美」氏を再度迎えた。

そしてこれが見事に「成功」であり「正解」でもあった。

「紗也香」氏はとても初めてとは思えない演技と殺陣を披露してくれたし、元アイドルが放つ「華」も存分に見せつけてもくれた。「野々下」氏も実は初めての「殺陣」だったということだが、さすがに演技巧者だけあり見事に観客を魅了してくれた。私個人的には「菊田」氏とのコンビ的やりとりが大好物だったりもするので、あのコンビまた見たいです、ハイ。

全編を通して感じたことの1つに「しっかりとした稽古」がなされているなあ、というものがあり、その修練が「完成度の高いエンターテイメント」として結実して観客に提示されている。そしてそれはアンサンブルキャストにも行き渡っているように感じた。まあみんな木刀振り回してるわけで気を抜いたら大惨事になってしまうわけでそこらへんは「しっかり」が当然かもしれないが

それでも「いいもん見たな」と思わされるのである。

ネット上だけでショートムービー配信という「変化球」のあとの「ある意味」で「ド直球」な内容で「大胆な配役」と「充分に稽古された舞台」で挑んだ「本公演」は短い公演期間中の評判も相まって、レディーバードはじまって以来の「大入り」となった。

次回本公演で「続編」を予定しているというレディーバード、こちらも今後の動向から目が離せない。


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